「春のうららの隅田川~」で始まる有名な歌曲です。昔は中学校あたりで習ったと思うのですが、今でも教えているんでしょうか? 「荒城の月」と並ぶ瀧廉太郎の名作で、日本人なら知らない人はいないでしょう。
もとは明治33年(1900)に出版された歌曲集「四季」の中の第1曲でした。「四季」は「花」「納涼」「月」「雪」の4曲から構成されていますが、「花」だけが有名になりすぎて他の3曲はほとんど知られていません。「花」の歌詞は武島羽衣によって作られたもので、1番は当時隅田川で盛んに行われていた漕艇(ボート競技)の様子を春の風物詩として描いています。「船人」「櫂(かい)」などのキーワードが現れるのはそのためです。2番は隅田川の朝と夕方の表情をそれぞれ「桜木」と「青柳」に結びつけて、どちらも素晴らしいと愛でています。また3番の歌詞に現れる「げに一刻も 千金の」は中国の故事「春宵一刻値千金」にちなんだものです。最後に「ながめを何に たとうべき」を2回繰り返して「この素晴らしい眺めを何にたとえようか」と隅田川の春の風情を絶賛して締めくくります。曲も単純な繰り返しではなく、微妙に旋律を変えるなど独自の工夫が見られます。
当時の学校唱歌は西洋の歌曲に日本語の歌詞を付けたものがほとんどで、それでは原曲の持つニュアンスが損なわれると瀧廉太郎自身は危惧していました。彼は「四季」の序文の中で、日本独自の歌曲を作り、日本の音楽の進歩のために微力ながら貢献したいと述べています。この「花」は旧来のヨナ抜き音階からも脱却して西洋音楽に勝るとも劣らない日本独自の情緒を見事に表現したといえるでしょう。
原曲はイ長調で4分の2拍子ですが、ここでは少し高いハ長調に移調し、4分の4拍子に変えています。テンポは少しゆっくり目にして、1番はアルペジオを弾き、2番はブロックコードを弾くように変化を付けてみました。初心者の方でもできるだけ弾きやすく、かつ華やかな響きが得られるようにアレンジしています。
もとは明治33年(1900)に出版された歌曲集「四季」の中の第1曲でした。「四季」は「花」「納涼」「月」「雪」の4曲から構成されていますが、「花」だけが有名になりすぎて他の3曲はほとんど知られていません。「花」の歌詞は武島羽衣によって作られたもので、1番は当時隅田川で盛んに行われていた漕艇(ボート競技)の様子を春の風物詩として描いています。「船人」「櫂(かい)」などのキーワードが現れるのはそのためです。2番は隅田川の朝と夕方の表情をそれぞれ「桜木」と「青柳」に結びつけて、どちらも素晴らしいと愛でています。また3番の歌詞に現れる「げに一刻も 千金の」は中国の故事「春宵一刻値千金」にちなんだものです。最後に「ながめを何に たとうべき」を2回繰り返して「この素晴らしい眺めを何にたとえようか」と隅田川の春の風情を絶賛して締めくくります。曲も単純な繰り返しではなく、微妙に旋律を変えるなど独自の工夫が見られます。
当時の学校唱歌は西洋の歌曲に日本語の歌詞を付けたものがほとんどで、それでは原曲の持つニュアンスが損なわれると瀧廉太郎自身は危惧していました。彼は「四季」の序文の中で、日本独自の歌曲を作り、日本の音楽の進歩のために微力ながら貢献したいと述べています。この「花」は旧来のヨナ抜き音階からも脱却して西洋音楽に勝るとも劣らない日本独自の情緒を見事に表現したといえるでしょう。
原曲はイ長調で4分の2拍子ですが、ここでは少し高いハ長調に移調し、4分の4拍子に変えています。テンポは少しゆっくり目にして、1番はアルペジオを弾き、2番はブロックコードを弾くように変化を付けてみました。初心者の方でもできるだけ弾きやすく、かつ華やかな響きが得られるようにアレンジしています。