原曲の"Der letzte Abend"はドイツ語で「最後の夜」を意味する民謡で、そのメロディーに「早春賦」などで知られる吉丸一昌が訳詞を付けて大正2年に「新作唱歌 第五集」として出版されています。原詩では思いを寄せていた女性と結婚することができず、最後の別れを告げる場面が描かれていますが、日本語の訳詞では故郷との別れという風に中身が作り替えられています。西洋のメロディーを借りて日本語の歌詞を付ける手法は当時さかんに行われており、ほとんど日本の唱歌と言っても良いでしょう。