エチュード第1番ハ長調 作品10-1 【ピアノソロ譜】

ショパンの2つある練習曲集のうち作品10の第1曲です。難曲揃いと言われるエチュードの中でも最も難しいとされる曲の一つです。左手の単純なベースラインの上に右手で様々に変化する音型のアルペジオをオクターブで繰り返すところはハノンのようなメカニカルトレーニングに近く、まさにエチュード（練習曲）そのものといえます。しかし単なる練習曲ではなく芸術にまで昇華させたショパンの手法は見事です。これほど雄大で美しい音楽があったのかと驚きを隠せません。一般的にはそれほど知名度の高くない曲ですが、アニメ「ピアノの森」の主題曲になったことからかなりポピュラーになったと思います。

左手は非常に単純なので、ほぼ右手の練習だけに集約されますが、音の開離が大きく手の小さい人にはかなり厳しいといえます。これを指定されたテンポでミスタッチなく弾くのは神業に近い技術が要求されます。

大変な難曲なので指定のテンポ(176bpm)で演奏することは非常に困難ですが、ゆっくり弾くのはさほど難しくありません。オクターブごとの繰り返しはたまに変化している部分があるので、そこだけ注意すれば暗譜もそんなに難しくありません。あとは左手のベースラインを途切れないようにレガートで弾くことを心がけましょう。速く弾くのは無理でもゆっくり弾ければそれなりに気分良くなります。文字通りエチュードなので指のトレーニングにも最高です。