大正時代を代表する画家・詩人である竹久夢二による作詞で、「待てど暮らせど来ぬ人を~」で始まる切ないメロディーが印象的な曲です。夢二27歳の夏に避暑旅行で訪れた房総で「長谷川カタ」という女性に出逢い一目惚れしてしまいますが、すでに妻子ある身だった夢二は結ばれることも叶いませんでした。諦めきれない夢二が翌年訪れた時にはすでにカタは嫁いでしまっていたことを知ります。夢二はその時のエピソードを1912年(明治45年)の雑誌「少女」に次の原詩で発表しています。
遣る瀬ない釣り鐘草の夕の歌が あれあれ風に吹かれて来る
待てど暮らせど来ぬ人を 宵待草の心もとなき
想ふまいとは思へども 我としもなきため涙 今宵は月も出ぬさうな
翌1913年に現在の3行詩の形で絵入り小唄集「どんたく」に掲載され、1917年(大正6年)にその詩に感銘を受けたヴァイオリン奏者の多忠亮(おおのただすけ)によって曲が付けられて完成しました。決して来ることのない恋人を待ち続ける気持ちを「宵待草」にたとえた大変叙情豊かな作品で、大正ロマンあふれる名曲だと言えるでしょう。
楽譜は初級者向けの簡単なピアノソロにアレンジしました。10小節目からの半音下降するベースラインがちょっとかっこいいかもしれません(笑)。18~20小節目の最後のフレーズは十分テンポを落として情感を込めて弾いて下さい。ペダル記号は省略していますが、左手のベース音をキープするようにペダルを使って下さい。
遣る瀬ない釣り鐘草の夕の歌が あれあれ風に吹かれて来る
待てど暮らせど来ぬ人を 宵待草の心もとなき
想ふまいとは思へども 我としもなきため涙 今宵は月も出ぬさうな
翌1913年に現在の3行詩の形で絵入り小唄集「どんたく」に掲載され、1917年(大正6年)にその詩に感銘を受けたヴァイオリン奏者の多忠亮(おおのただすけ)によって曲が付けられて完成しました。決して来ることのない恋人を待ち続ける気持ちを「宵待草」にたとえた大変叙情豊かな作品で、大正ロマンあふれる名曲だと言えるでしょう。
楽譜は初級者向けの簡単なピアノソロにアレンジしました。10小節目からの半音下降するベースラインがちょっとかっこいいかもしれません(笑)。18~20小節目の最後のフレーズは十分テンポを落として情感を込めて弾いて下さい。ペダル記号は省略していますが、左手のベース音をキープするようにペダルを使って下さい。